切ない映画なんです。
観たのは20年ぶりなんだけど、そのことだけしっかり記憶していました。もちろん結論も覚えてたんですよ。
偶然に出会って意気投合した二人がルームシェアするところから始まるんだけど、恋愛や考え方、行動パターンの違いなどで徐々にすれ違いが。
…という、大雑把なあらすじを書いてしまえばありがちな内容でもあるのですが、この作品の場合、みんなお金がなく救いもなく、それが現実の「今現在」を表しているようで辛く、それが心に刺さってくるのが異なるところです。ハッピーエンドがどこにもないから。
あともう一つ、今回観て思ったんだけど、二人がすれ違う、っていうけど、そもそもはショートの子が「勝手に」気が合うと判断して相手(マリー)の部屋に転がり込んだわけで、そこにマリーさんの同意はあったんだろうか、そもそも嫌だったのが押し切られたんじゃないんだろうか。みたいに見えてしまったのよね。そもそも部屋もマリーの部屋じゃないの、借りてたのだから安定してるわけではない。ショートさんは行動的で押しも強く、昆虫のようにしぶとく生きていけるのでしょうけど、マリーは難しかったんじゃないかって思います。でもそれでもマイペースで生きていたのよね。なのでそう考えると、そもそも二人が出会ったことがラストへの布石なんだと。出会ったからこそ最後にああなったわけで、出会えてなかったらマリーの人生はまったく変わっていたのではないかな。そんなことを思ったんです。
似たような感想はロメールの「レネットとミラベル」でも持ちました。あれは楽しい名コンビになりましたけど、こっちはそのアンハッピーバージョンとでもいうか。
最後に一つ。
ちょっと時代を感じたのは字幕の翻訳です。2人ともキャラ的にそんな感じじゃない気がするんだけど、訳が「〜だわ。」みたいに女子言葉になってるんですね。そこ、今だと普通な語尾になっているのではないかなあとちょっと思いました。
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